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紙料になるまでの工程から紙漉き体験2日目

12月13日(日)9:00~16:00


9:00塵取り

出雲民藝紙工房の塵取り場で1晩掛水をして灰汁抜きをした三椏の皮は多少白くなっていました。

この皮についているゴミや黒皮、かたい傷などを1本1本、水の中で選別していきます。とても寒い日でしたが地下水は温度が一定で15・6度あり温かく感じました。


2回目の塵取りは、工房の中で行いました。さらに小さなゴミを取っていきます。この塵取りは根気のいる作業です。皆さんの熱意を感じました。

次に本来は紙料づくりとして、皮の繊維をバラバラにする「叩解」という工程がありますが、2時間くらい叩かないといけないので、今回は工房の水流の勢いで繊維をバラバラにする叩解機「ビーター」で行いました。


箱ライト製作を体験

指導者:門脇志保

先月28日に製作した多色の繊維を流した和紙がいよいよ箱ライトになります。型紙に沿って、はさみやカッターなどを使いキューブ型の箱ライトを作りました。照明源(LED)を入れて初めて漉いた和紙で作ったライトが実感できます。照明から透かして見える和紙の繊維の美しさに感動しました。



13:00流し漉きを体験

原木から紙料にするまでの工程をすべて経験し、最終の段階に入りました。

これまで紙漉き体験はありましたが、今回は「和紙を知る!」というテーマで開催し、全工程を体験してもらいました。

手漉き和紙は、漉くだけが重要ではありません。このことを知っていただくための体験でした。

流し漉きの練習を2時間以上行い、いよいよ一人一人自分だけで流し漉きを行います。

3枚ずつ漉き、水分をとる圧搾をし、電気乾燥機でゆっくり低温乾燥しました。皆さんの練習の甲斐あって漉き重ねた和紙はちゃんと1枚ずつ剥がれました。練習なしで漉く場合は、繊維の流れが天地(上下)一定にならないので上下の紙がくっつくことがよくあります。そのため紙と紙の間に不織紙を挟んでくっつかないようにします。しかし練習も厳しかったですが、本当に皆さん良く頑張っていただきました。素晴らしい紙ができました。




<感想文の紹介>

僕は和紙トレーや和紙で作ったはがきに型染したり、箱ライトを作ったりして楽しかったです。そして僕の山で採れた三椏を自分で紙にしました。このことはすごいと思いました。和紙やほかの伝統文化を守らないといけないなと思いました。10代男子


箱ライト、トレーや型染、盛りだくさんの体験をさせていただきました。和紙を身近に使っていきたいなと思います。楽しく参加させていただき、ありがとうございます。20代女性


トレー作り、型染、箱ライト作り、紙漉きまでたくさんの経験をさせていただき、とても貴重な経験でした。ありがとうございます。紙が、どのように木から作られるのか、作られた紙をどう生活で再び生かしていくのか思いはせる機会となりました。ともに実際の生活の中で、具体的に使いたい思いもイメージもたくさん浮かび、今までの生活の中に無かった手漉き和紙という文化と一緒に暮らしていくことを楽しみに思っています。丁寧な指導で安心して体験できました。40代女性


先週皮を剥いだ三椏を煮る作業を、火をおこすところから経験できてよかったです。雁皮との違いも説明頂いて勉強になりました。紙漉きは漉くものの面積が大きくなるにつれ難しくなりました。(カード~封筒)何度かするうちに工夫できて少しコツが掴めました。煮る時間を利用して、いろいろな小物づくりもさせていただけて良かったです。トレーづくりで、糊や下地のことを知ることができたのは個人的に収穫でした。横で薪割や魚釣りをされていて冬が深まる里山の自然も満喫できました。40代女性 

夏の体験プログラムの時に見たDVDの和紙製造工程が体験できてとても良かったです。一番やってみたかった塵取りと流し漉きができたからです。流し漉きは難しかったですが、流して漉くことで紙の厚さが調整できるのだと理解できました。機械漉きにはできない技なので残してほしい技術です。

全体を通して様々な経験ができて良かったのですが、やはり参加者が少なくて残念に思いました。せっかくの補助事業なら、もう少し参加者がいてほしいと思いました。もったいないです。(コロナ禍もあったと思います)今回経験したことを還元するために自分自身も何か発信できればと思いました。箱ライトの工程は製作キットができていて感動しました。効率的に作業を進めることができました。和紙を通して明かりを見る時間は贅沢なものに思えます。たくさん経験させていただいてありがとうございました。40代女性


三椏の木が紙になるまでを経験させていただき、時間と心のこもった手仕事の暁に和紙が完成することを知りすごいことだと思いました。「はぁ~」とクラクラした思いです。こんな一つ一つの技を考えつかれたことに尊敬です。貴重な体験をありがとうございました。できた紙は大切にしたいと思います。父の仏前に備えて報告します。(三椏原木提供者)60代女性


以前から紙を原料から始めて作ってみたいと思っていました。和紙の原料が楮、三椏であることは中学の時に勉強しましたが、本物を見るのは初めてで、蒸した三椏の皮があんな風につるりとむけて。それが紙になるとは思ってもみませんでした。和紙を使ったトレー、ライト、和紙で作ったカードに便箋封筒など、自分の生活に和紙が入ってきたことが嬉しかったです。製紙工場は環境汚染だといわれますが、和紙はすべてが自然に返り、リサイクルもリユースもできるところが、この先もう一度生活に取り入れるべきものだと思いました。長期保存、防虫効果など知らなかった効能もあると知りました。職人さんの技を何とか盗もうと思い頑張りましたが、いらぬところに力が入り雑念が出て、やはり上手くいきませんでした。チャンスがあったら、またトライしたいです。50代女性





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