8月1日(日)
7時 記念館集合~8時加茂町到着
8時15分から登山し11時過ぎに下山 雁皮分布調査指導:中林清さん
雲南市加茂町大竹地区は、近くに加茂岩倉遺跡があり、全国で初めて大量の銅鐸・銅矛が出たところである。
年配の方が子供のころ、雁皮を生剥ぎして小遣い稼ぎをしていたという話をよく聞いたが、今回雲南市加茂町の中林氏(73歳)より雁皮の分布調査の協力を得て、山を案内してもらった。中林さん所有の山で、子供のころの記憶と現在の状況を聞いた。
山道ではあるが、目視できる範囲に雁皮が自生しており、40~50年以上の年月が経ったものが多かった。また、むき出しになった山肌から力強い雁皮の根が確認でき、その周りから数年経つと思われる雁皮もたくさん見た。中林さんは慣れた手つきで皮をはいで見せてくれた。実際には雁皮はもっとあるのだが、今は山で薪を拾う必要もなくなったため、山を整備することが無くなったと言われた。山中で見る雁皮も大体50年位成長したものが多く、近年採られていない理由に納得できた。今は山中の開けたところに梅や柿があるので多少、草刈りをする程度ということであった。小さい苗と周辺の土(砂状)をいただき、記念館に持ち帰り鉢に植えた。
八雲町にも雁皮は自生し、私自身、山の持ち主の案内で教えてもらい、刈り取ったのは30年以上前の話である。雁皮は成長が遅く、紙の原料となるのは、30~50年くらい成長したもので、山で刈り取り、皮を剥ぎ乾燥させ紙屋に持っていくのが通常のやり方だったようだ。その時にあまり成長しすぎたものは刈ってはいけないそうで、刈りすぎると次が生えてこなくなる。雁皮は胞子で増えていくということも教えてもらった。今一つ信憑性はないが、その時、山の持ち主であり管理していた80代の方の話である。
雁皮を見ることができて、とても嬉しかったが、絶滅が危惧されていることはあまり知られていないだろう。
40~50年前までは、八雲町、雲南市加茂町においても日常的に山から雁皮の皮を紙屋に持って行ったことが分かった。
雁皮分布調査・加茂町
雁皮・40年くらい成長したもの・桜のような木肌
雁皮葉の形状・数年成長した苗
中林さん雁皮の皮はぎ
雁皮皮剥ぎ
加茂町から持ち帰った雁皮の苗
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